嫌な夢
先日嫌な夢を見た。
といっても、怖いとか不思議とかそういう類ではない。
妙に現実的で嫌だったという意味である。
私はあるシステム開発プロジェクトの一員である。
そのプロジェクトは比較的大規模で、業務システム全体を業務の特色等から大きく5~6個のサブシステムにわけ、
それぞれを私の会社のメンバーが担当して開発を進めていく体制が組まれている。
私はその中のとある一業務システムの主担当という設定になっている。
私の会社はいわゆる「一次請け」の立場にあり、実際の主な仕事の内容は進捗管理や課題管理等のいわゆるプロジェクト管理にあたる。
よって、コーディングは別の会社に外注してやってもらうのがプロジェクトの主な開発スタイルである。
※改めて断っておくが、これは夢である
ただここまでの設定は現実に体験したプロジェクトでの立ち位置とほぼ同じである。
それがまた冒頭での「嫌な」夢の感じに拍車をかけている
私の担当する業務システムでも別のソフト会社に外注していた。
担当するサブシステムの規模がそれほど大きくなかったので、実際に外注したのは1名だけだった。
その人を仮にAさんとする。
仕様も大部分確定してきた頃、
製造の工程(実際のコーディング作業)に入る前に私はAさんと一度社内で打ち合わせをして、
開発の進め方(進捗報告の体裁や方式、頻度等)や開発に向けての課題や質問(環境の準備等)について一通りの話し合いを行った。
これも実際のプロジェクトではよくある話だ。
そこでも特別大きな問題はなく、スケジュール遅延もない形で製造工程に着手できそうだった。
そしていざ製造工程に入ったが、なぜかその初日Aさんがプロジェクトルームに来ていない。
電話をしてみる。何コールかすると、つながる。
私「今日なんかありましたか?体調でも悪いんですか?」
Aさん「いや、すいません。体調は悪くないんですが、ちょっと仕事に行けそうになくて…」
私「ご親戚に不幸とかあったんでしょうか?」
Aさん「いや、そういうわけでもないんですが、すいません、ちょっと別件もあって…」
体調不良ではない。
身内の不幸でもない。
電話にはちゃんと出る。
でも会社にはこれません。
???
ていうか別件てなんだ。
Aさん、あなたには(正確に言うとあなたの会社には)
私の会社からこのシステム開発のための発注をしているのだ。
同じ開発者である以上、複数平行で開発プロジェクトに携わっている事情はあるかもしれないし、
それを私に言っていないだけかもしれない。その辺の事情は理解できる。
だから別に「別件」があっても構わないが、それを理由にこっちの仕事を蔑にされては困る。
スケジュール上の問題があるようなら事前にそれを言っておいていただく必要がある。
これはSEとか以前に社会人としての最低限の義務だろう。
というわけで、明確な理由もなく、
結局のところ”仕事できない”としか言えない担当者とこれ以上会話しても無駄なので、
(Aさんの会社の)上の人間に電話してしかるべき対応を要請するのが本来普通の動き方だが、
夢だからなのか私は特別そのときAさんのこの応対に不満を覚えず、
私「そうですか、わかりました」
とだけ言って電話を切ってしまった。
それから数日間、Aさんと私との間ではこのやり取りが続けられた。
やはりAさんは電話には出るのだが歯切れが悪く↑のようなことしか言わない。
さすがに夢の中の私も不信感を覚え、もう少し突っ込んで理由を聞いてみた。
ちょっと話が飛ぶが、このプロジェクトのプロジェクトルームは
実は顧客事務所の一角を借りている。
要するにシステムを収める先のお客様がシステムを作っている我々のすぐ近くにいる。
なので当然だけどお客様の悪口や陰口はプロジェクトルームでは軽々しく口にできない。
※夢の日記であるが、念のため断っておくッ!↑の書き方だと「近くにいなけりゃさんざん暴言吐いてやるぜナメんなよ!」というように聞こえるが、そんなことは断じてないッ!と思っていただきたいッ!
Aさんとは電話のやり取りだから、第三者的にはこちらからの一方的な発言しか聞こえていない。
しかもAさんが理由をはっきり言わないものだから電話の時間は長引くし、
その断片的な会話内容からやり取りの全体像を想像すると揉めている(少なくともいい話ではない)ように見えてしまうだろう。
プロジェクトルーム近くにいるお客様がそれを目にするとどう思うか?
「この会社に任せて本当に大丈夫か?」という不安を与える要素の一つになることは間違いない。
私とAさんのこのやり取りを見た私の会社の別の人(プロジェクト統括リーダーにあたる、私の先輩)がガラス越しに
(おまえ、揉めてるの見せるのよくないからちょっと遠く言って電話しろ)
と手の甲をこっちに見せて「シッシッ」とするような動作で指示をしてきたので、
私も理由を察知し歩いてプロジェクトルームから離れていった。
プロジェクトルームのある、いわばお客様オフィスは自社ビルで、
比較的高層階の一角にプロジェクトルームが配置されていた。
そこを離れて歩いていくと、なぜか夕暮れ時の老人ホームにたどり着いた。
廊下の角に設置された、観葉植物を扇形に囲ってあるソファにご老人の方が杖をついて座っている。
なんとなく人に話を聞かれるのが嫌だったのでそこを通り過ぎてさらに奥の方に進む。
(この時点でまだAさんとは電話中である)
狭い廊下の先には自販機が設置されていて、そこで廊下は終わっている。
そこでAさんと引き続き電話で「なぜ?」「無理」の会話を続ける。
夢はここで終わる。
個人的な近況でいうと、近く、比較的大きな開発プロジェクトに召喚されそうだと聞いている。
その予知夢なのか?
なんにせよ嫌な夢だった。
何度も断っておくが、あくまで夢なので体験談ではない。
オフィスビル歩いてて途中で老人ホームに移動するなんてふつう体験しないでしょう。
次元の狭間じゃあるまいし。