サガフロンティア2の思い出
ふと思い立ってサガフロンティア2のサントラを買ったので
当時の思い出などを勝手に語る
SaGa Frontier2 Original Soundtrack - ゲーム・ミュージック
サガシリーズの特徴はフリーシナリオ、
つまりプレイヤーが自分でシナリオを選択して進めていくのが醍醐味…そんな風潮があり、
実際前作「サガフロンティア」はロマサガを沸騰とさせる数々のフリーシナリオが用意され
サガシリーズの正当進化系としての色が強く出ていたと思うが、
その前作に比べると今作はそこまでフリーシナリオ感が表面化した作品ではないのは事実だろう。
作品の趣旨に「歴史を辿る」という考え方があり、
時の流れとともに主観となるキャラクターが変わっていく。
(時間の流れと共に主要キャラクターの加齢、老化、死別…等のイベントがある故による)
それは歴史シミュレーションとしてのサガの新たな表情に触れられる一方で
上述したサガシリーズ特有のフリーシナリオのシステムから遠ざかってしまっているのは否めない。
そうした背景がある故主要シナリオの中で動ける範囲や戦闘シーンに「制限」が出てきたことは
当時中学生だった自分には素直に受け入れられなかったのは事実であるが、
大人になってからもう一度プレイすると
そうした「歴史体験」ゆえに「制限されたシナリオを進めること」に
作品としての奥深さ、面白さに引き込まれたこともまた事実である。
そういう意味でいえば中学生当時にはストレートに(あまり深く考えずに)楽しめるゲームが第一で、
このようなゲームの面白さを純粋に受け入れられなかったのは仕方がなかったのかもしれない。
(この当時のスクウェアは、聖剣伝説LOMといい、ゲームを求める主要世代に対しては少し冒険要素が強い作品を作る傾向があったように思う)
特筆しておきたいのが、
すべてのマップがCGではなく実施に水彩や油絵で描かれた「絵画」である
ということだろう。
これは当時のスクウェア作品であるFF7やサガフロ等、
PSになってから作られたゲームのマップが基本的にCGで構成されていて、
それにゲームの画像の進化を見て感動を覚えていたところに、
むしろそれ(時代)に逆行する形で作られた手段であったことをに対して
初回プレイの中学生時代から新鮮で驚きであったし、感動を受けた。
最近はあまりゲームをやらなくなってしまったけど、
この手法は現在も通用する非常に豊かなRPGのマップ表現方式だと思う。
CGにはない、”人間”が描いたことによる豊かさ・暖かさがマップから感じられた。
是非ほかのゲームも真似してほしい(まじで)。
世界観の設定上、基本すべての人が「術」を使えるので、
術を使えない不能者=主人公のギュスターヴみたいなキャラは阻害される要素になるが、
術の使えない主人公が選択した「鋼鉄製の武具」は実態としてゲームの戦闘面では術より優遇されている。
→術使ってるより鋼鉄の剣で切りかかってる方がはるかに威力が高い
実際「ギュスターヴの剣」や「丙子椒林剣」ばっかり使ってた。
特に「ギュスターヴの剣」は他の鋼鉄剣と違い専用のグラフィックが用意されており、この武器の魅力度はかなり高い。
エンディングにも出てくるしね。
一方で、術と技が合体した「術技」という要素があり、
武器を使った「技」に「術」を絡めて放つ攻撃で、前作までにはなかった新要素である。
ただ、たとえば「烈風剣」は、
「技」としては前作までにもあったサガシリーズ的にも由緒ある技だが、
今作では同じ名前で「術技」として位置づけられている。
術をメインに戦うキャラクターの中で、
数少ない武器の資質を生かす場合にはこの「術技」を使わせることが多い。
前作に比べると技の種類が大幅に広がり(むしろ前作が少なすぎたのだが)、
時代背景が中世であることを含め「ロマサガ」時代の技の種類に近いカテゴリになった。
これは前作で剣術と体術しかなかったことに少しがっかりした自分にとっては、
正直かなりのプラスポイントになっている。
各カテゴリにロマサガ時代と同じ「レベル」が備わっていたり、
各キャラクター毎に得意分野があってその分野では技を覚えやすい等、
ロマサガ時代を沸騰とさせるシステムが復活しており、懐かしさと魅力を感じる要素の一つだった。
ただ新要素として、
「貴族等のキャラクターの中には、”体術は乱暴な手段なので使わない”というキャラクターもいる」
という設定に基づき、実際体術が全く使えない(覚えられない)キャラクターがいて、
それは少し残念だった。(いる?その設定…(´・ω・`)って思った)
最終章の主人公、ジニーの母親ディアナは、
作品中ではおっとりしたお嬢様という印象だが(実際最初会ったときの戦闘力は結構低い)、
見かけによらず技の資質はむちゃくちゃ高く、剣術等に資質がついてた記憶がある。
その意外性には驚かされた…
(活躍する場面が少ないので「ディアナにそんなに豊かな資質必要なの?」とは思ったが)
中盤出てくるレイモンというキャラクターはシナリオ上弓の使い手だが、体術にも資質があり、
実際体術使わせるとメキメキ育つ。
最初から体術使ってればよかったんじゃないのこの人?(出会った当初は体術レベル0で弓だけレベル高い)
ゲーム上のグラフィックが若い(最初会うとき20代後半だったと思う)のに、
最終的に同じグラフィックで40代まで歳を取るのには違和感を覚える。
「デュアル」という敵と1対1で戦う特殊なサシバトルシステムが追加された今作。
戦闘形式として「デュアル」を選択できるのは比較的限定された場面だけであるが
デュアルでの戦闘のほうがはるかに新しい技を「ひらめきやすい」関係で
技を覚えるための手段として正直重宝した記憶はある。(特に後半になればなるほど…)
ただやはりサガシリーズとしての「ひらめき」には、プレイする側からしても特別な需要があったのは事実で、
デュアルという代替え手段でそれが直観的に失われたことは正直残念といえば残念であった。
欲を言えば「デュアル」で最初に技をひらめいたときにも
例の電球マークが出てくるようになっていたら多少なりとも満たされるものはあっただろう。
→デュアルで技をひらめいた場合は電球は出ないが、パーティバトルで技をひらめくと電球が出る
なので、デュアルでは初回(ひらめき時)でも2回目以降でも技を使うときの表現が変わらないのである
一応、
「ひらめき」専用(=パーティバトルでしか習得できない)だったり
逆に「デュアル」専用(=デュアルで技を成立させてからしか使えない)だったり
といった技があるにはあるが、
全体数からすればごく少数だし、各々の「専用」性に依存したいほど魅力的な技でもない。
ゲーム全体を通してデュアルのほうが技をひらめきやすいので
どうしても技の習得には「デュアル」を使いがちになってしまうが、
上述した通りデュアルで技をひらめいた(=技の初回使用使用時)ときにも電球が出ない関係で
やはりゲーム全体を通して「ひらめき」のウェイトが下がってしまっている。
アルティマニアによれば、最終戦ですらデュアルにしたい構想があったそうだが、
実態としてこれはなくなっており、その点は正直「正しい選択をした」と感じている。
今作での最強技ってなんなんだろうね。
前作は「無月散水」だと思うけど、今作は「マルチウェイ」か?
個人的には
剣技では「無拍子」「ベアクラッシュ」「剣風閃」「みじん斬り」
体術では「サンダーボルト」「滝登り」「キッチンシンク」
斧技では「ヨーヨー」「スカイドライブ」「マキ割りトルネード」「高速ナブラ」
杖技では「からすとうさぎ」(!)
槍技では「活殺獣神衝」「無双三段」「蓮華衝」「光の腕」
弓技では「水晶のピラミッド」
あたりが印象に残っている。
特に「からすとうさぎ」は、
最終章のジニーが杖の資質を持っていることと、
偶然にもレアアイテム「ハードロック(耐久力∞だがクヴェルではないツール)」を手に入れたことと
名称が特徴的であることから、
なんだかよくわからんが今でもよく覚えている。
これと「風と樹のうた」を連携させるとまるで技名が子供向けの絵本みたいになった記憶がある
前作サガフロで出てきた「連携」については、
前作までは5人パーティだったのが戦闘参加パーティ人数が4人までに制限されたことで
味方として行うのは最大「4連携」までとなったが、
「敵の技と連携する」といい謎の新要素が加わったことで5連携の実現が可能となった。
敵が、回復や自己強化等の、こちらへの攻撃以外の消極的な行動をとった場合、
それに合わせて自パーティの連携攻撃を叩き込むと敵の行動と連携できる。
(ほとんどそんな場面がないので正直この要素はどうかと思った)
ラスボスである「エッグ」は、
ラスダン途中で遭遇する「将魔」を倒したかどうかで戦闘力が大幅に変わる。
この考え方はロマサガ3の「破壊するもの」に近く、
過去作品との類似性を感じて思わずニヤリとしてしまった。
何より特筆するべきは第一形態エッグとの戦闘BGM「Misgestalt」であろう。
(Mis~のsは本当はBみたいな文字を表すドイツ語らしく、
実際には「ミブゲシュタルト」的な発音になるらしい。
ここでは面倒なので(というか変換できないので)ふつうに「s」で書いている)
戦闘開始前の演出もあいまって、
この曲は数々のRPGのボス戦の中でもトップ10に入るレベルで名曲だと今でも思っている。
サガシリーズの特徴というか共通点として
「ラスボス直前では大体HPが800代まで成長している」
というのを経験上から勝手に思っていたのだが、
実際何世代も主要キャラクターが交代する関係で同じキャラクターを育て続けることができないこともあり、
このゲームでHP800代まで育てるのは無茶苦茶大変である。
60時間くらいプレイしてもHP500代後半がせいぜいで、
もう面倒になったからという理由で実際HP500代後半でラスボスに挑んで、実際勝利した。
エンディングを迎える前、「今回のラスボスってHP500代で勝てるのかよ…」と思ったのは記憶にある。
ただまあ今にして思えば、
やりこみとか見ても「ラスボスに挑む頃にはHP800代」というのは単なる固定観念であり、
そもそもそんな条件があるわけでもないので、経験から勝手にそう思ってただけなのであるが…
前作では「解体新書」「裏解体新書」も購入しているが、
今作でもアルティマニアも購入している。
(たぶん実家のどこかに今も眠っている)
前作の裏解体新書のときもそうだったが、
目当ての一つとして最終頁付近に書かれている小説が結構高いウェイトを占めていたりする。
今作ではオリジナルキャラクター「ベエンダー」を主人公とした小説作品になっているが(正直この「ベエンダー」という名前はどうかと思った)
もうどういうストーリーだったかまではほとんど覚えてないが、
基本無感情のベエンダーがコーネリアの死に際して現世に干渉するところと、
ベエンダーが無拍子を使うシーン(誰にいつどういう場面で使ったんだか忘れた)
は、未だに記憶にある。
実際のところは正直そこまで世間に「ウケた」作品ではなかったと思うが、個人的には好きな作品である。
↑に挙げたような不満要素を改善したリメイク版が出たら買ってしまいそう。
そんなことしてる時間はたぶんないが…(´・ω・`)