2020年前半コロナ自粛により自宅で見た映画の感想
新型コロナウイルスによる外出自粛・在宅勤務の影響で自宅で過ごす時間が多くなったことや、FF7Rのために入手したPS4でテレビでamazonプライムを見る手段ができたことなどがはまって、それ以前に比べて映画を見る機会が増えた。
というわけでこの外出自粛期間中で見てきた映画の感想を下記に挙げたいと思う。
※当然ながらネタバレ多く含むので注意
Zombie Land
最初は本作の続編「Zombie Land Double Tap」を広告で見かけたのをきっかけに知って、面白そうだな~いつか見てみたいな~という感じだった。
ゾンビものだが、「アイ・アム・レジェンド」や「ワールド・ウォー・Z」等と比べて、シリアスさがほとんどなく、コメディ要素が多くを占める「軽さ」が個人的に気に入っており、いつかみたいなーと思っていた。
基本的に良くも悪くも「前予想通り」の作品だった。
頭を空っぽにして楽しめる感じの作風という点ではストレスなく見れたが、一方でそういう前提を超えてくる感動や衝撃もない。
個人的にはもっとブッ飛んでる描写があっても良かった気がする。
時間があったら続編も見てみたいなー。
John Wick
なんとなく、amazonプライムにあったので見た。
作品はちょこちょこ見かけたことあったが、前のめりになってまで見たいと思う感じもなく、ずっとそのままだった。
静かで寂しい立ち上がり(ここだけ一見するだけだととてもアクション映画には見えない)が印象的で、その雰囲気がその後の硬派で過激なアクションを際立たせている感じがする。
キアヌの躊躇ないアクションは見もので、教会に入って銃を取り出し無感情に神父を撃つあたりは「マジでやべえやつ」がすごく演出されていたように思う。
総評として、これは面白い。
続編ができる理由も理解できる。
続編見たいもん。(まだ見てないが)
ROBOT
インド映画。
「ブッ飛んでる系」を見たくて、見てみた。
感想としては、思ったより「ブッ飛んでる」感じでもなかった。
これも続編の広告を見て、常識外れのアクションCG満載の、頭空っぽにして見れる感じの、良い意味での「単純なアクション映画」を予想していたのだが、そういうシーンは後半の一部だけで、映画全体の3分の1から4分の1くらいにしか相当しない。
よく見てから臨めばよかったが、そもそも3時間近い上映時間があり、全編がそういうシーンで構成されているはずもなかった。
広告にある通り「ラスト40分のアクションが凄い!」という点に関しては認めるが、逆に言えば求めていた部分は「そこだけ」で、実際のところ、他の部分はそこに至るまでの「長い前振り」になってしまった感は否めない。
また、後半40分のアクションも映像だけ見ると確かにものすごいものがあるのだが、BGMがほとんどない分、何かどこか迫力に欠ける。
他の欧米の一般的な映画?に比べて、上映時間が長い分だけ、個々の演出や、そこに至るまでの描写が濃密。
登場人物もそこまで多くないので余計に「作りこみ」がよくされている気がする。
ただまあこれにダレる人はダレるだろうな、というのも感じる(個人的にはそこまでストレスなく見れたが)
あと所々ミュージカルのような歌って踊るシーンが差し込まれる辺りに「ディズニー映画みたいだな」と思った。
最初のほうで出てくる歌詞に「ワサビ」という単語があるが、これ本当に「ワサビ」って発音してて面白かった。
調べてみたら、これタミル語と英語で作られているらしい。
ミュージカルでは英語でうたわれているものもあれば、理解できない言葉もあって、こっちがタミル語だったんだろうと予想する。
余談だが、全体的に中途半端に英語が入ってくる分、英語の勉強にはならない。。w
ハドソン川の奇跡
実際の航空機事故を取り扱った社会派ドラマ。
原題はSULLY(サリー)で、主人公の機長のニックネームになっている。
なんか暇つぶしに見るかなーと思ってふと目に留まったこの作品をとりあえず見た、という感じで、前から見たかったというほどではない。(映画自体は前々から知ってはいた)
見終わった後に知ったがこれクリント・イーストウッド監督作品なんだな…(まあだからなんだってこともないんだが)
扱っている題材が航空機事故というだけあって、話のトーンは基本的に終始重めで、緊張感の途切れないストーリー展開がなされていく。
Wikipedia見る感じだと取り調べのくだりは映画向けにかなり脚色されているようだが。
それでも実際にエンジン推力停止からハドソン川着水に至るまでの一連と、その後の脱出~救助までの一連のシーンは非常に緊張感のあるものだった。
当事者だったら本当に生きた心地がしないだろうな、あれ…
墜落の悪夢を見たり、自分を非難するレポーターの声を幻聴したり、事故後の異常な心理状態を描くシーンも、多少脚色はあれど、恐らく少なからず事実だったんだろうと思うと、この人の当時の苦労は想像しがたいものがある。
トム・ハンクス演じる主人公の機長サリーがまさに「プロフェッショナル」という感じで、動揺・混乱等や愛想笑い等で微妙に表情を変えることはあれど、基本的には終始表情を緩めない。
人の命を預かるという職務に対する徹底的な覚悟を感じ取れる。
ただ、乗員乗客155人が「全員助かった」という報告を聞いたときにだけ、一瞬涙ぐむように表情をゆがめており、そこまで途切れなかった緊張の糸が安堵によってようやく途切れたことをよく演出できているなと思った。
この事故自体、個人的には全く知らないのだが、その分「世界中で注目を浴びた航空機事故」「乗員乗客を全員救った英雄」などというキーワードが少し大袈裟に聞こえる。
映画のラストシーンでも本人が登場して救助した乗客と会話するシーンや、本人に対する特別インタビューみたいなコーナーもあって、正直少し「持ち上げすぎ」感を感じたのは事実。
まあでも実際事故を知らない人間だからそう思うだけで、当事者からするとこれくらいでも足りないくらいなのかもしれないが。
コンテイジョン
未知のウイルスによる感染症が世界的に流行する話。
この作品自体は前から知ってたのだが当時は前のめりで観る気にはなれずそのまま時間が過ぎ去っていってしまった。
しかし新型コロナウイルスで大騒ぎになってる昨今においては「観たさ」が爆増した作品であり、暇ができたらぜひ見ようと思っていた。
この作品、2011年の作品のようだが、まるで予言かのように2020年現在に飛び交っている用語や演出がたくさんでてくる。
「R-0」(ウイルス再生産数を指す用語)や「Social Distance」等。
これらは当時世界的な感染症が流行らなかったせいで耳にする機会がなかっただけで、疫学的には旧来からある用語なのだろう。
また、医学的根拠もなく病気に有効と大袈裟にデマを扇動する輩や、ロックダウンにより食料や医療物資の確保に制限がかかる中、我慢できなくなった住民が暴動を起こす様等、実際2020年の新型コロナウィルス騒ぎでニュース越しに見た光景が描かれており、この映画の描き方の「精度」に驚愕した。
ゾンビものとか心霊系のホラー映画みたいな怖さとは別のタイプの恐怖映画という感じ。
舞台設定が現実な分、リアリティのある恐怖感が描かれている(新型コロナウィルスのせいで身近に感じやすくなったのも恐怖感を増長しているような気もする)。
全体的に抑揚が薄く、暗い場面が多いこともそれに拍車をかけており、見ているものにじっくり恐怖を伝えてくる。
見入ってしまうという点では「面白い」と評価してもいいのかもしれないが、全体を通しての感想は「怖い」という感情のほうが勝る。
まあ映画のテーマ的にその感情が先立つほうが良いのだろうが…
舞台となっているのがアメリカで(最初の感染者も香港からの出張帰りのアメリカ人女性)、他国はちょこちょこ出てくるものの、基本的にアメリカ内でのみ話が展開されるため、「世界的な流行」というのを感じるには少し演出や表現が不足していたような気はする。
この辺は新型コロナウィルスのほうの感染拡大状況のほうがより「リアル」だなという感想。
まあこんなもん広まってほしくもないのだが。
一般的にこのテのウィルスは致死性が高いほど広まりにくい(宿主が死んでしまって次の宿主に移れなくなるので広がりづらい)と聞いたことがある。
ウィルスも生物なので、長く生きるための生存戦略としては、致死率を低めにしてより多くの人に感染を広げた方が良い、という考え方があるそうだ。
そういう意味で、新型コロナウィルスは致死性が低く、ウィルスの生存戦略としては非常に優れている、というのもどこかで聴いた。
この映画のウィルスの致死率は25~30%という話なので新型コロナウィルスより5~8倍近く高い→7月上旬時点の統計情報より計算
そんなに高い致死率でここまで広がるものなのかなあ…?というのは若干疑問ではある。
まあ俺なんかが想像すらできないレベルの専門家の方々が監修されてるんだろうから、そういうことなのかもしれないが。
あんまり映画見るほうの人間ではないので本当に時間が空いた時にしか積極的に映画を見ようとしないのだが、パソコンやらPS4さえあれば手軽にすぐにでも映画が見れる環境というのはその辺の重い腰を軽くしてくれる。
まだしばらく在宅勤務が続きそうなので下半期編にもなんか続きを書くかもしれない。