【ASIAN KUNG-FU GENERATION】Tour 2020 酔杯2 ~The Song of Apple~ 公開収録ライブ@KT Zepp Yokohama (10/27;2日目)
いってきたぜアジカン酔杯2!!
はじめに
当たり前だが2020年初となるアジカンのライブ。(そして残念ながらこれが今年で言えば最初にして最後のアジカンになりそう…)
申し込みの要項とかをあまり深く読まずに脊髄反射でチケ申し込んでいた部分があったので終演後まで知らなかったが、どうやら今回3 daysらしくて(10/26ー10/28の3日間)、私が参戦したのはその2日目になる。
コロナ禍の影響でフルキャパ使えず、完全席固定かつ座席同士を1席ずつ空けるという都合上、各ライブに参戦できる人は大分限られると思われるが、それでも今回チケが当選したのは、3 daysという公演日程の影響もあったのかもしれない。
あと以前のように遠征民が自由にチケ申し込めるのが制限されていたりするのも多少効いてるのかもな…
前座
- the chef cooks me
正直初めて聴いた。(シモリョーの存在はアジカンでずっと知ってたけどこのバンドとして曲聴くのは初めて)
ムーディなおしゃれ系ミュージックって印象。
夜の横浜には合いそうだ!
メンバーが7人もいて、コーラスに男女ペア・サックス・打ち込み音などもあって、全体的に良い意味でカオスにミックスされていた。
他と比べるとアジカンとの繋がりが比較的強いと思われることもあってか会場の盛り上がりも他2組に比べてレベルが違った。
ラスト「踵で愛を打ち鳴らせ」をアレンジ演奏。
しかし原曲から見るともうほぼ完全に別曲で、良い意味で完璧に「このバンドの曲」に仕立て上げられていた。
バンドの技というか実力というか、そういうのを垣間見た良曲。
あれはちょっと音源で欲しいな… - Jurassic Boys
このバンドも初めて聴いた。
3ピースロックバンド。
若さからくるものなのか、エネルギッシュな演奏とそこから来るストレートで強い音がよく響く。
特にドラムがいいね。
「そこそんなに刻む必要ある?」っていうくらい、絶え間なくパワフルに叩く感じが気に入った。
ゴッチがMCで言ってたが「なつかしさを感じる」バンドと言ってたが、これには物凄く同意できる。
「なつかしさ」はこのバンドを表現するのにすごくしっくりくる。
表現がなんかちょっと難しいが、2000年代前半に聴いた感じの音楽って感覚がある。
古臭いって意味ではなく、若いころの音楽に関わる良い思い出を沸き立たせるノスタルジィがこのバンドにはある。気がした。 - 加藤修平(NOT WONK/SADFRANK)
本来ならNOT WANKというバンドで出演する予定だったはずの、そのバンドのボーカルの人。
これも初めて聴いた。
一人だけの出演なので弾き語りスタイルなのだが、それにも関わらずキーボードやギターをあまり鳴らさないので、「リズム」という概念が失われており、音楽というより、表現が難しいが、美術館でアート作品を見ているときのイメージに近かった。
そういう意味で、なんか「初めて聴くバンド」とかいうより「初めて聴くライブ体験(エンターテイメント)」というほうがしっくり来る気すらする。
以前HINA-MATSURIでゴッチが詩の朗読してたが、あれを初めて聴いた時の感覚というか、感想に方向性としては近いものがある。
ゴッチがMCで「凄い人見つけちゃったなって思った。パンクバンドのボーカルかと思えばなんでもできるじゃんっていう。この人が評価されないなら日本の音楽シーンはおかしい」って言ってて、「えっこの人パンクバンドの人なん?」って思った。
それくらい、この日のライブはパンクバンドとは似ても似つかない、どころかほぼ対極に位置する「歌い方」をしていた。
あの歌声とか歌い方だけ聴いたら「パンクバンドの人」と想像できる人は皆無だと思う。
実際NOT WANKって後で調べてみたら確かにパンク色のある元気のいいバンドなんだよね。
後から声聴いても「同じ人」とはまるで思えん…こんな声だったっけ??w
https://www.youtube.com/watch?v=JExpk1HXqfY
アジカン
セトリ↓
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UCLA
荒野を歩け
アンダースタンド
橙
触れたい確かめたい
或る街の群青
ナイトダイビング
遥か彼方
羅針盤
マジックディスク
Easter
ボーイズ&ガールズ
<EN>
十二進法の夕景
ダイアローグ
今を生きて
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レア曲のオンパレード!!
そもそも(これも後から知ったんだが)「酔杯」というイベントが、いわゆるテナーのテナマニとかバクホンのマニへブとかと同じで、ファンの人気投票でセトリを決める(レア曲を演奏する)という名目のイベントだったようで、既に事前に投票があったらしい。
なるほど、だからこういうラインナップなのね、と後から納得した。
そういう背景を知らずに参戦しているので「うおっこれやるのか!!」という衝撃と感動がモロストレートに心に来て、役得感が増した。
来て良かったと心から思ったライブ。
そんなわけなのと、もともとそんなアジカンのライブに行く方の人間ではないので、「ライブで初めて聴く」という曲が多い。
新曲除くと、「橙」「或る街の群青」「ナイトダイビング」「羅針盤」「マジックディスク」「十二進法の夕景」は初聴き。
「橙」なんて後からゴッチがMCで曲名言わなきゃ曲名思い出せなかったレベル(あー、これ、マジックディスクに入ってるやつだ、なんだっけ曲名、って感じだったw)
これ人気投票1位らしいね。
わかる。
いやこれ俺も大好きって意味じゃなく、「ファンがこれを選ぼうとする心理」はなんとなくわかる。
ある意味で「自分でセトリを指定できる機会」なので、こういう、「埋もれてしまっている」曲のほうを選びたくなる気持ちはとてもよくわかる。
俺がテナーの2013武道館でKAISER LEE投票しまくってたのと本質的には近いものがあると思う。(残念ながらKAISER LEEは圏外だったがww)
音源のアウトロ部分に入ってる「街の雑踏音」みたいのが開始前に流れたので、「あれっもしかして…?」という予想はあったが、まさか聴けるとは思わなかった「或る街の群青」。
これ大好きなんですよ…静かな立ち上がりからヘヴィに変わり(このヘヴィ部分が好みw)、最後はまた静かに〆るというのが良い。
一般的には「鉄コン筋クリートの曲」というほうが認知度が高いんだろうなこれ…
そもそもこれ音源出たのは俺が大学生くらいのころの話な気がする。
年代見てもそうだから多分間違いない。
懐かしくないわけがない。
もっというと「羅針盤」は下手すると俺が高校生くらいのときの曲だ。
崩壊アンプリファーの頃だよね確か…
最早懐かしいとかそういうレベルを超える。
青春時代の曲ですよ…おっさんの回顧録の一部を飾りそうw
あと「マジックディスク」もね。
懐かしい。
あのまくし立てるような特徴的な歌い方とアップテンポな曲展開は良い。
どうでもいいが、「アルバムと同名の曲(表題曲)の割に変な位置(2曲目)にいるな」って当時思ったのはなんか無駄に覚えている。
前作のワールドワールドワールドって1曲目だったから「そういうもの」だと思ってた節がある。
まだそういう変な固定観念が強く、考えが凝り固まっていたのだろう…若さだな…
ついでにいうと、別に最早レアって感覚でもなくなってきているが、久しぶりに聴く「遥か彼方」は良かったな。
昨年のNANA-IROの思い出が蘇る。
いや俺が行ったのは名古屋だったのでセトリには入ってないんだけどw、DVDで見たので、なんか「NANA-IROで聴いた」感が強い。
ゴッチが開始前に「山田先生イントロお願い」っていうのも一緒だったし、思い出さないわけはない。
15年ぶりの大好きな3バンドの対バンツアー、さらにそのラストを飾る、ホリエアツシ・細美武士と一緒に歌うあの曲に感動を覚えないやつはおるまい。
コロナ禍でライブが途絶えて絶望的になっている中で聴くと、その思い出が再び感動となって心を揺さぶった。
「ライブ」を体感してるなあ、と改めて思わせてくれた曲だった。
前日(10/26)、翌日(10/28)と被ってる曲も少ない。
10/26と10/28は割と似てる感じするね。
ちなみに前日だと「惑星」「ワールドアパート」「無限グライダー」が羨ましいです…(聴きたかった…)
基本的にこの3日間、曲目を変えていく考えのようだ。
もともとツアーとしてやろうと思ってたイベントだから、ツアー用のセトリを3日間に凝縮してるのかもしれない。
というか「ライブ」自体がレアで、かつ非日常になりつつある昨今、なんならフェス向きの代表曲とか聴くだけでも感動してしまうと思う。
最早どんな曲でも、ライブが少しでも日常に戻ってきた感覚に触れる感動を呼び起こす起爆剤になり得る。
そういう意味で前日(10/26)の「君という花」「Re:Re:」とか翌日(10/28)の「リライト」とか(個人的な「代表曲」枠)も羨ましいのだ。
ただ、コロナ禍による制限で声だしNGのため、「君という花」は「らっせーらっせー」が出来ないことを考えると、仮に聴けても少し寂しい気はする。
どうでもいいが、この日の夜にTwitterのフォロワーさんが「わたしが聴きたいのは脈打つ生命です」って言ってて「超絶同意!!」ってリプしたかったのだが、ここで俺がそれをリプしてしまうと間接的にセトリをバラしてしまうことになる(セトリに入ってないことを明かすことになる)ので「いいね」だけして理性でリプを抑え込んだのだ。
ここで言ってもしょうがないのだがマジにこれには超絶同意します◯◯さん。いや本当にここで言ってもしょうがないんだけど
まあ最早「いいね」が無言の同意メッセージになってそうだし、このブログでがっつり晒してる時点でなんか意味あるのそれという感じがしないでもないがw
おわりに
先月、中野サンプラザにライブ見に行ったが、あれは「ライブハウス」ではなかったので、「ライブハウスでライブを見る」のはコロナ禍においてはこれが最初だった(最後にライブハウス行ったのはナッシングスのZepp Tokyo)
普段はスタンディングのエリアに椅子がびっしりしきつめられてる、ライブハウスの日常からすると見慣れない、ある意味(言葉を選ばず言ってしまうと)「異様な光景」だったが、ライブハウスでのライブ体験はやはりいいなと思った。
キッズっぽい恰好で十中八九目的が同じのやつが同じ電車に乗ってたりとか、ライブハウスの入り口付近で写真を撮ってるファンの人たちとか、入場と同時にドリンク代をスタッフの人に渡して返ってくる交換コインとか、ポールで簡易に組み立てられたエリアで仕切られた物販エリアとか、会場に向かう途中で知り合いに会ったりとか、アンコール求めて拍手する会場の観客とか(段々ずれていくのでどこかのタイミングで修正する感じとか)。
何もかもが懐かしかった。
「ああ、ライブハウスってこんなだったよな」っていう感覚を、本当に久しぶりに味わった。
中野サンプラザのときは純粋に「ライブを体験できる」ってことに感動していたが、「ライブハウス体験」を味わったという意味で、この日のライブは貴重だったと思う。
まだまだコロナ禍以前と同様とまではいかないが、”ちゃんとしたライブ”が本当に少しずつ戻ってきているように思えた。
まあ、ある日突然「声だしは勿論、モッシュもダイブも解禁です!」ってわけにはならず、実際のところ、こんな感じでちょっとずつちょっとずつ日常に戻っていくんだろうなあ。
そんな日が来るまで、しぶとく生き続けるしかあるまい!