【ベンダー試験】AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals挑戦記


実は密かに受験していた。
奇跡的と思えるレベルのギリギリのスコアだけどw、とにかく合格しました!



はじめに

10月か11月くらいに、TwitterのTLで、「MicrosoftのAZ-900が無料で受けられる」みたいな話をチラホラ見かけた。
「へぇ~無料ならやってみようかな」と思い、密かに受験を狙っていた。

ただ正直それくらいのノリで、あまり積極的にやろうという気でもなかった。
Fundamentals(基礎)のレベルでいえば、クラウドベンダーは違うものの、既にAWS Practitionerを取得済なので、わざわざ同レベルの位置づけのものを受験しようとする気が薄かった。
どうせ取得するならもう少し方向性の違うものか、高度レベルの資格を取ることに時間を使いたい、という気持ちがあった。
しかし現時点では対外証明できるクラウドベンダーの知識としてはAWSしか持っていなかったので、基礎レベルとはいえ、「違うクラウドベンダーでも同様の知識を有する」ことを証明すること自体は、決して無駄ではないだろうと思い、それにどうやら受験料無料らしいし、(これが受験を決意した理由としては正直一番大きいと思うw)どうせだから受験してみよう、と思い、受験に至った。

なお後述するが、「基礎レベルの資格だしな」と思っていたのは、正直完全にこの資格試験を「ナメて」いた。
これに関しては完全にやっちまったと反省している。
まあ実際スコア見ればナメてかかったのは一目瞭然なのだが。
これから受験する人がいるなら、決してナメてかからないように心がけていただきたい。

オンライントレーニング参加

ググれば出てくるので詳細はここでは書かないのだが、要するに「Microsoftが不定期に開催しているオンライントレーニングに参加すると、AZ-900の受験料を100%Discount(割引)してくれるバウチャーチケットが付与される」のだ。
このページに今後のFundamentals向けオンライントレーニングの予定日程が載っている。
不定期開催だが、大体月に1~2回は実施しているみたいだ。
自分の場合は11月のオンライントレーニングに参加した。

オンライントレーニングは2日間で、両日とも午前中のみ。
逆に言うとその2日間の午前中は完全にこのトレーニングで拘束されるので、MTGとか入れてはならない。

研修内容は(俺が受けたときには)録画が再生されている状態で、講師の方とInteractiveに質疑応答等のコミュニケーションが取れる形ではないが、チャットを通じて質問を文章で書いて送信すると、裏で控えているらしいMS社員のエキスパートの方が、回答を返信してくれる。
ただ研修終了間際に質問したりするとトレーニング自体が終了されて回答を貰える隙がなくなる(実際それで1問ほど回答をもらえる機会を逸した)ので、なるべく思い立ったらすぐに質問したほうが良い。

このトレーニングを受けると、後日、申し込み時に登録したメールアドレス宛に、無料バウチャーを使った受験申込の手順に関するメールが届く。
Microsoftのメールによると「5労働日以内にお送ります」という記述があったので、当日中に届くようなスピーディなもんではないので、しばらく待つ必要がある。
ちなみに自分の場合は3日後くらいに届いた。
あとこのメールの「無料バウチャーを使った受験申込の手順」の部分が、恐らく英語を割と無理やり翻訳したのだろうと思われ、若干わかりづらい。
まあでもメール内のリンクから辿り、メールに書かれている内容をなんとなく読み取ってその通りに進めていけばなんとかなる。

なお、後述するが、実際に試験を受けてみた感想として言うなら、Azureに関して完全無知な人の場合、この研修を受けただけでは絶対試験には合格できない(断言してもいい)
このオンライントレーニングは正直「無料バウチャーを貰う条件」とだけ割り切っていた方が良い。
学習は別途自分で実施する必要がある。

試験勉強

正直に言うとこの試験を大分ナメていたので、あまりガッツリと「勉強」はしていないのだ。
少なくともAWSのときのように、自分でアカウント作って触ってみるとか、対策本を買ったりとかは一切していない。

一応、試験範囲に該当するMicrosoft Learningはこなした。
ただ「こなした」っていうよりは各モジュールの「知識チェック」を問いただけだ。
模擬試験的な位置づけとして利用させてもらった(つもりだった)。
「知識チェック」の手前のモジュールを完全シカトしていきなり「知識チェック」に挑んでも、ほぼ満点取れたので、「あ、なんだこれならいけるわ」とナメてしまった。

実際に試験を受けてみた感じでは、この「知識チェック」は正直全くなんの役にも立たない。
試験の内容はもっと実践的で、この「知識チェック」で問われているような単発の知識確認はほとんど意味がなかった(その知識がある前提で、なおどうするか、という問題ばっかり出題された)。
だからこのMicrosoft Learningも、完全無知から本当に土台となる「基礎知識」を付けるためだけに使うべきで、試験対策として使うべきではない。

あと、既にAWSの知識がある人なら、AzureとAWSのサービス比較は多少役に立つと思った。
Azureのサービス名だけを見れば、それを使ったことがなくても、AWSと照らし合わせて、「ああ、こういうやつね」とすぐにイメージが湧くようになっているのは知識習得の手助けになると思う。
少なくともAzureのコアサービス(コンピュートやネットワーク、ストレージ等)については、AWSとの対応付けがちゃんと頭に入っていた方が良いと思う。
といいつつ、AzureはAWSのようにサービス名にイカした(?)名前がついているものはパッと見少なくて、サービス名を見ればなんとなくどういうものかわかる、というのが多いので、まあ、補助知識の一つに過ぎない気はする。

そのうえで、やはり「実際に使ってみる」のが恐らく知識をより定着させると思う。
Microsoft Learningでもサンドボックスという形態で一時的にAzureサービスを使った学習コースが用意されているが、時間制限があるし、実際にユーザーとしてAzureを利用するのとは違うはずだ。
基本的な使い方や機能上の制限とかがわかるだろうし。
また、AWSとの対比はあれど、同じ構成取るにしても恐らく微妙に使い方が違うはずなので、そのあたりの細かい差異を吸収するにしても、やはり実際に使ってみるのがいいんだろうなと思う。
俺は実際には触ってないんだけど、触っといたほうがもっと安心して試験受けられただろうなと思って後悔しています…

試験

規約により試験内容に関することは一切言えないのだが、正直かなり難しかった。
位置づけ的には同レベルにあるというAWS Practitionerに比べると数倍難しかった印象である。
単純な知識を問うというより「こういう場合どうする?(何を使う?)」みたいな問われ方が多く、肌感覚としてはAWS SAAの試験問題の傾向やレベルに近いものがあった気がする。
オンライントレーニングとMicrosoft Learningは、その「単純な知識」を獲得するための教材であり、その知識を実践的に利用するには、別の角度の知識や経験が必要である(だから上で「これだけだと絶対合格できない」と書いた)

オンライントレーニングとMicrosoft Learningだけに頼っていて、実際にAzureを使ったり、対策本で知識を深める等の行為を、一切していなかった自分にとってはとにかく強敵だった。
逆に言うとその辺をちゃんとやって臨んだ人からすると「基礎」のレベルとして対応できたのかもしれない。
そういう意味では、ある程度知識と経験の備わっている人(実際のところ、この試験より上位のレベルの実力者)が、理解力確認のために一応念のため臨む試験、くらいの位置づけだと思っていた方が良いのかもしれない。

ちなみに「問題文がわかりづらい」はこの試験にも同様に当てはまる。
実際、日本語としてそもそも文章が成り立っていない問題が僅かながらにあった。
英語に切り替えることはできるので、よくわからなかったら英語にした方がむしろ直感的に理解しやすい可能性が高いと思う。

この試験はAWSとは違い、回答を送信した直後にもう合否判定が下される(正式な結果レポートとバッジの付与は後ほどメールで来る)
結果ページに「合格スコア:700 あなたのスコア:700」と表示されているのを見て、思わず笑ってしまったのは覚えている。
正直自身はなかったし、まじで「あっぶね~」っていう感想しか出てこなかった。
こんなぎりぎりで勝利したくはなかった試験であった…

なおスコアレポートを見てみると、Azureとは実質的には関係ない(と思われる)「クラウドの概念の理解」の分が満点取れていることがわかる。



「クラウド業界の人としての基礎知識」だけを武器に、Azureのことはほぼほぼ無知なまま試験に臨んだ、ということがよくわかるグラフである。
いや~、本当によく受かったものだ…

おわりに

とにかくAzure Fundamentals合格である。
とはいえ、一応合格はしたものの、本当にギリギリの辛勝だったので、実力が評価されたというよりは、運が良かったといったほうが適切な評価だろう。
このくらいならむしろ不合格で痛い目見ておいた方が良かったかもしれないくらいな気持ちはある。
ナメた態度を改める必要がある。

まあでも逆にポジティブに捉えるならば、表面上の知識だけでもぎりぎりなんとか太刀打ちできたということの証明でもあるかもしれない。
AzureはMicrosoft Learnignのサンドボックスで10分ほど操作した以外は本当に一切完全に全く使ったことがないド素人、いやもっと強烈に言えばAzure童貞である。
童貞が知識だけを武器に本番に臨んでも、大分厳しかったがなんとかなった、ということを表している。
まあ童貞の初体験ってのは、最初はみんな厳しいもんだからな!
しゃーない。

加えて言うなら、AWSの試験を事前に受けていたことが助けになった部分は非常に多くあると思う。
むしろその経験がなければこの結果には結びつかなかっただろう。
(完全無知な状態でオンライントレーニングとMicrosoft Learningだけを受けて臨んでいたら絶対受からなかったと思う)
アレだ、実際のところ「Azure童貞」だが玄人(AWS)相手には経験がある、つまりいわゆる「素人童貞」にあたり、一応「近い」経験はしていたことが、本番への助けになった、というのが表現的にはただしいかもしれない。
う~ん、無理やり下ネタに結びつけると良くないな、やめよう。w

なお、別に意地張ったわけではないが、今回、この資格取得に際して、かかった費用は本当にガチで0円である。
オンライントレーニングは無料、受験料も無料、試験範囲に該当するMicrosoft Learningも無料公開されている、と、自分が体験した中でかかった費用は完全に0円だし、もっと言うとAzureのアカウント作成してから12か月は無料なので、この期間を合わせれば、実践経験も無料でこなせるということになる。
すごく厳密に言えばオンライントレーニング受けるためのネットワーク回線料とかテストセンター行くための交通費とか、まあそういうのはかかっているが、少なくとも試験勉強と受験のためにかかった費用は0円だ。
つまり、完全0円でも一つ資格が取れるということだ。
他の試験も後から会社が受験料負担してくれたりするので結果的に自己負担はないのだが、そういう会社の福利厚生等を一切使うことなく自分という個人の中で完結して一切合切0円で受験できる、というのはなかなかスゴイことだなと思った。
なかなか太っ腹だ。

とはいうものの、今回、試験に際して、「試験対策本を買ってみる」とか「実際にAzureのアカウント作って色々触ってみる」とか、そういう具体的な行動が発生しなかったのは、少なくとも現時点では、残念ながらAzureにそこまで興味を惹かれていないということの裏返しだとも思っており…
結果的に試験勉強が非常にお粗末になったのはその表れだろう。
AWSを実際に使っていて(一応)運用もしている中、AWSで今のところ間に合ってるというか、「AWSで出来ないことがAzureでできる」ようなものが(知ってる限りでは)見当たらないし、仮にそういう特色がAzureにあったとして、それを自分で使ってみようとする明確な目的がない。
心の底では、マルチクラウドの知識を深めていきたいという気持ちはあるのだが、個人で趣味にちょこちょこ使っている範囲では、Azureに手を伸ばせるほどの利用機会や目的意識が及ばないのが現状で、それがAzureに対する現時点での興味をそいでしまっている。
これはただ順番の問題で、たまたま最初にAWSを触り始めたからという理由が強く、Azureを使い始めていたら、恐らく感想は逆だっただろう(試験の受験順序も逆だったはず)
一応今回「基礎知識」は獲得したが、実践的にAzureを利用する機会や、Azureの次の(上位の)資格への挑戦は、もう少し先になりそうだ。
まあ、それまでに情報収集や利用機会を見定めて、焦らずじっくり勉学に励んでいきたいと思う。